東京都世田谷区の大学研究圃場に設けた小規模な実験区と神奈川県川崎市の多摩川河川敷の公園において, 秋季ワイルドフラワーに集まる昆虫類を調査した。その結果, ワイルドフラワーにはチョウ目, ハチ目, ハエ目, 甲虫目などの訪花が認められ, 特にコスモス, マリーゴールドでの観察数が多く, セイタカアワダチソウのようにワイルドフラワーと混生する野草の中にも昆虫の観察数が多い種があった。またバッタ目の昆虫は, 周辺の草地に比べ, ワイルドフラワーの栽培区内で多く観察された。これらの結果をふまえ, 昆虫の生息空間として視点から, ワイルドフラワーの管理について考察した。