岐阜県の郡上八幡は現在でも日常生活に水路網を利用している旧城下町である。本研究は郡上八幡の水路網の整備過程を整理し, 水システムの特徴が現れる水調整装置とその環境音との関係を分析した。その結果, 昭和初期までに構築された6系統の水路網が現在も利用されていること, 水調整装置の形態等によって系統毎の特徴が異なり, それに応じて水調整装置が発する環境音の分布状況や騒音レベルも異なることがわかった。これらのことから水調整装置が発する環境音は伝統的な水システムを音環境の側面から知覚できる伝統的環境音であることが明らかとなった。