韓国ソウル周辺のニュータウンである下山新都市の内部に分布している未利用敷地の大部分は, 近隣住民に菜園として私的利用されている。本研究は, この菜園利用者に対するヒアリング調査を行い, 未利用敷地における菜園の意味と役割を明らかにすることと今後のニュータウン開発における農地の整備可能性を示唆することを目的とする。調査結果から, 未利用敷地の菜園利用は, 実利型の菜園の役割と共に, 健康及び休養的な側面, 心理・社交的側面において居住者の生活に様々な影響を与えていることが明らかになった。また利用者には住宅地内への小規模な菜園整備への要求が強いため, 韓国のニュータウンでは, 菜園整備の必要性があると考えられる。