同一産業に属する企業間、例えば、保険会社間においてもその投資リスクの大きさは異なる。経営学やコーポレートファイナンスの既存研究に基づいて、その差異を生じさせる要因を明らかにすることが本研究の目的である。そこで、債権者、株主、経営者の意思決定に影響する要因を説明変数とし、それぞれリスク量の異なる国債投資、外国証券投資、株式投資、非国債投資の4つの投資行動を被説明変数とし回帰分析を行った。その結果、債権者のニーズの多様化、大株主の影響力の減少、Chief Executive Officer (CEO)のナルシシズムの度合いの増加が投資リスク増加に影響を与えていることが分かった。