腸内細菌学雑誌
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総 説
腸内菌叢研究の歩み
光岡 知足
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2011 年 25 巻 2 号 p. 113-124

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抄録

腸内菌叢研究は,19世紀末期に始まり,20世紀前半では研究はゆっくりした歩調で進められた.20世紀後半,腸内菌叢研究は飛躍的に進展し,1)腸内菌叢の培養法の開発 2)腸内嫌気性菌の分類・同定の確立 3)腸内菌叢の生態学的法則の発見 4)ヒトの健康における腸内菌叢の役割 などが明らかにされ,1980年には腸内細菌学(intestinal bacteriology)という境界領域の学問分野が樹立された.この研究が基礎となって,機能性食品(プロバイオティクス,プレバイオティクス,バイオジェニックス)が開発された.1980年代には腸内細菌による免疫刺激,腸内菌叢研究に分子生物学・遺伝学手法の適用,腸内菌叢の宿主に及ぼす影響とその作用機構などの研究が開始された.

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© 2011 (公財)日本ビフィズス菌センター
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