腸内細菌学雑誌
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総  説 <特集:腸内細菌の分類の現状―嫌気性菌および乳酸菌を中心に―>
バクテロイデス及びその類縁菌の分類
坂本 光央
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2016 年 30 巻 3 号 p. 119-127

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抄録

次世代シーケンサーの普及により,培養を介さずともヒト腸内細菌叢を把握できるようになってきた.腸内細菌叢は我々が今までに想像していた以上に多様な細菌種で構成されていることが検出される腸内細菌由来のゲノム配列によって明らかになっており,その主要な構成菌群の一つとしてBacteroidetes門が挙げられる.またその多くの菌種がBacteroidaceae科,Porphyromonadaceae科,Prevotellaceae科,Rikenellaceae科に帰属し,メタゲノム解析の結果を支持するように,この10年ほどで上記の各科に含まれる多くの新属・新種が発表された.近年,逆に培養を介した大規模な解析手法をヒト腸内細菌叢の解析に利用することによって,数多くの新種が提案されている.ただしこれらの名称の中には,正式発表名として扱われていない学名も含まれるので十分に注意したい.本総説では,Bacteroides属及びその類縁菌の最新の分類について概説する.

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© 2016 (公財)日本ビフィズス菌センター
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