腸内細菌学雑誌
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総  説 <特集:腸内細菌の分類の現状―嫌気性菌および乳酸菌を中心に―>
ヒト腸内グラム陽性細菌の分類の現状
―嫌気性Phylum FirmicutesおよびPhylum Actinobactreriaを中心に―
藤澤 倫彦
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2016 年 30 巻 4 号 p. 177-190

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抄録

現在,細菌(原核生物)では,Archaeaドメインが5つの門(phylum),Bacteriaドメインが30の門に分類されているが,このうちヒトの腸内に見出されるのは,Archaeaドメインの1門とBacteriaドメインの11門であり,なかでもBacteriaドメインのFirmicutesBacteroidetesActinobacteriaProteobacteriaの4門だけで菌叢のほとんどを占めるとされている.ところで,ヒトの腸内には1,000種以上にもおよぶ多種多様な細菌が生息・存在しているといわれている. 近年,ヒトの腸管に生息・存在するBacteriaドメインの957菌種およびArchaeaドメインの8菌種が示された.本稿ではこの報告を基にBacteriaドメインの2門,すなわちFirmicutes門およびActinobacteria門を中心に,グラム陽性細菌,とりわけ主な偏性嫌気性グラム陽性細菌について新菌属,新菌種の提案や学名の変更など,分類の現状に触れてみる.

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© 2016 (公財)日本ビフィズス菌センター
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