1990 年 3 巻 2 号 p. 163-165
Cryptococcus laurentii によりラクトースから生成される0-β-D-galactopyranosyl-(1→4)-O-βD-galactopyranosyl-(1→4)-D-glucopyranose (4'GLと略記) のラット盲腸内Lactobacillus, Bifidobacterium, Enterobacteriaceaeなどの菌群に及ぼす影響を検索した.7週齢のSD系雄ラット (体重約250g, 30匹) を4'GL摂取群 (15匹) と対照群 (15匹) に分け, 4'GL群は10%の4'GLを含む飼料を連続20日間摂取させた.盲腸内の各菌群の総菌数に占める割合の変動を調べた結果, LactobacillusとEnterobacteriaceaeの減少が認められた.とくにEnterobacteriaceaeの減少は著しく, 4'GL摂取10目目の対照群の約10分の1であった.一方, Bifldobacteriumは4'GL群においては10日目には増加の傾向が認められた.4'GL摂取中, 盲腸内容物のpHの低下が認められた.