抄録
先行順位を持ついくつかの生産プロセスを各ステーション間の移動でのみ必要とする輸送コストの総和が最小になるように, ステーションごとに利用可能な資源量の範囲内で配置する問題が考えられる.この問題に対して系列グラフ分割問題を利用しモデル化を行い, 合わせて厳密解法と近似解法を提案する.本来, 本問題は指数的計算時間を要するが, 要素間に先行順序をもつシステムにおいて並列構造が認められるシステム構造に対しては十分実用に耐える厳密解法が実現可能であることを示す.さらに, ランダムなグラフにも対応できるよう, 複合的近傍構造を導入したTabuSearch法を用い効果的な解を導出する近似解法を構成し, その計算時間もグラフの構造などに影響されることなく, ほぼ頂点数に線形に増加する傾向が示されることを述ぺる.