1997 年 48 巻 5 号 p. 239-246
前報〔1〕では配置対象物の形状の多様性及びその数という観点から大規模な配置問題に対応するためのレイアウト技法(CARD-SA)を提案した.本報では, このCARD-SAを発展させて石油精製・石油化学プラントの実問題を解くことを試みる.本問題のデータは実績プラントから各機器のStock情報, 機器間のFlow(配管)情報を読み出して作成し, メンテナンスエリアや機器間で保つべき保安距離などの現実的な制約条件を考慮したものである.機器の数は100を越え, 機器サイズのばらつきが大きいゆえ, 従来の技法では実用上満足出来る解が得られない.本報では前報〔1〕における建屋を敷地に職場を機器に対応させ, 目的関数は総配管長の最小化と考える.また, 有効性の検証では特に, 対象とする機器数が多くまたサイズのばらつきが大きいことより, クーリングスケジュールと解の収束性の関係等に注目する.