1999 年 50 巻 4 号 p. 191-197
作業者がワークステーション間を移動する作業システムにおいて, 作業者がワークステーションを出発する時, あるいは到着する時に, 歩行と手腕の同時動作が発生する.これら2つの同時動作の時間特性を3つの実験を通して明らかにした.前者の場合, 手腕動作の終了後に歩行動作が開始されるが, その間の時間は, 歩行開始直前の手腕動作の動作場所に影響を受ける.後者の場合, 手腕と歩行の同時動作が対象となるが, 手腕時間が歩行時間に含まれる場合と, 含まれない場合がある.本研究は, これらの結果に基づき, 手腕と歩行の同時動作時間の推定式を提案した.