日本経営工学会論文誌
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納期関連評価指標値の最適化を指向するシミュレーションベース生産スケジューリング : スケジュール生成法と納期はずれ最小化スケジューリング法
荒川 雅裕冬木 正彦井上 一郎
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2001 年 52 巻 2 号 p. 80-91

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抄録

生産スケジュールにおけるジョブの納期遅れと納期前ずれの和を"納期はずれ"評価指標値と呼び, その最小化を目的とするシミュレーションベースのスケジューリング法を提案する.シミュレーション法を用いて, 納期はずれを最小とするスケジュールを作成するためには, (a)納期遅れだけでなく納期前ずれも少なくできるようなジョブ割付けの制御機能と, (b)納期遅れと納期前ずれの程度を調整する機能が必要となる.本論文では, まず(a)の機能を備えたスケジュール生成法として, バックワード/フォワード・ハイブリッドシミュレーション法タイプD(BFHS/typeD)を提案する.つぎに, (b)の機能は, パラメータ空間上で最良スケジュールを探索する方式により実現する.BFHS/typeD法の第1ステップで実行するバックワードシミュレーションの特性を検討し, それに基づいて, 納期はずれが最小となるスケジュールを求めるためのパラメータ空間とスケジューリングの手順を提案する.提案したスケジューリング法の評価に関しては, 単純ジョブショップ過程モデルを用いるだけでなく, さらに現実に稼動中のスケジューリングシステムから得られた計画条件データを用いてその有効性を明らかにする.

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© 2001 公益社団法人 日本経営工学会
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