日本経営工学会論文誌
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固定された加工順序および経路を持つジョブショップ型生産システムにおけるバッファ容量配分問題
張 〓石塚 陽山下 英明
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2003 年 54 巻 1 号 p. 11-18

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抄録
本論文では, 変動するサービス時間, 固定されたサービス順序および固定された経路を有する待ち行列ネットワークシステムとしてモデル化されるようなジョブショップ型生産システムにおける資源配分, 特にバッファ容量配分問題を考える.所与のネットワーク形状, 加工スケジュール, 加工時間分布および利用可能な総バッファ容量のもとで, 目的はシステムのスループットを最大にするような各工程へのバッファ容量配分を求めることである.この種の問題に対するアプローチでは, 主として以下の2点を解決する必要がある.1点は, 一般に評価基準の厳密値(ここではスループットの値)を求めることは困難であるため, それらの値を計算するための何らかの近似式あるいはモデルの構築であり, もう1点はNP困難な問題であるバッファ容量配分問題の解法のである.我々のアプローチは, いわゆる「サンプルパス最適化」と「共通乱数法」を利用したものである.ランダムに生成された加工時間のもとで, 単純な漸化式(シミュレーション)から定められる各部品の退去時刻のサンプルパスを利用してスループットの近似値を求め, その近似スループットを最大にするバッファ容量配分を探索する.この近似最適バッファ容量配分問題の解法としては単純遺伝的アルゴリズムを用いる.数値実験により, この手法が大規模な問題に対しても適用可能であることを示す.
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© 2003 公益社団法人 日本経営工学会
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