抄録
製品形状は設計や生産準備における重要な因子の一つである.本研究では, 3次元CAD図形から形状特徴を抽出し, 形状類似性を定量的に評価する一つの方法を検討した.すなわち, 各図形を等間隔の仮想直交格子で分割し, その形状に属するボクセルを決定する.次に, 濃度重みつき距離変換法を応用して各要素について表面からの無次元距離を求めるとともにスケルトン(形状の骨格)を抽出する.さらに, いくつかの代表的なスケルトンの特徴量をニューロアルゴリズムで学習し, 教師データとして登録する.その後, 比較したい形状と教師データ形状の類似度を数値で表示し, 形状類似性を評価する.この方法を実装したシステム開発を行った.複数の形状類似度評価から妥当な結果を得ることができ, 本手法が形状類似度の評価に有効であることがわかった.