抄録
わが国の産業界でワーク・ライフ・バランス(以降「WLB」と記する)への取り組みが広がりつつあるが,その阻害要因の1つと考えられる職業性ストレスがWLB認識に及ぼす影響について,(1)要求(Job demand)の因子と,コントロール(Job control)の因子からなるジョブ・ストレインモデル,(2)職業性ストンス,(3)WLB認識,の3つを構造方程武モデルにて1つのモデルとして表すことにより,これらの因果関係を探った.実例検証によりモデルを推定した結果,モデルの適合度についていえば,CFIは0.95,RMSEAは0.09と本研究のジョブ・ストレインモデル,職業性ストレス,WLB認識の3つのモデルを下位モデルにもつ「職業性ストンスがWLB認識に及ぼす影響モデル」により,職業性ストレスがWLB認識に及ぼす影響の様子を表すことができた.