日本経営工学会論文誌
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原著論文(事例研究)
作業分析に基づく服飾雑貨流通加工の生産性向上に関する研究
伊津見 一彦佐藤 優太梶原 康博滝 聖子
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キーワード: 作業研究, 生産技術, RFID
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2013 年 64 巻 2 号 p. 169-176

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抄録

本著では,物流センターにおいて実施された流通加工の生産性向上活動について述べている.当該物流センターでは,通信販売事業で取り扱われている服飾雑貨に対する流通加工が行われている.この流通加工では商品のピッキング,仕分け,検品,梱包からなる一連の作業が行われている.作業分析により検品作業がボトルネックであることが見出された.検品作業ではバーコードスキャナが用いられている.ボトルネックを解消する方策としてRFIDを用いた検品の実施および仕分け機を用いた検品の実施が検討された.これら2つの方策について実証試験が行われた.その結果,両方策ともボトルネックを解消できることが確認された.最終的には100%の読み取り性能を確保できることが重要視され,仕分け機により検品を行う方策が選択された.さらに,作業者の再配置により新たに生じるボトルネックに対して平準化が実施された.その結果,生産性(単位時間当たりの出荷量)の改善は四半期後に42%に達した.

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© 2013 公益社団法人 日本経営工学会
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