複写機業界では,在庫の欠品が発生した際は,納期のペナルティーや附随の販売機会 (トナーカートリッジやドラムカートリッジなどの消耗品販売) 損失によるビジネス上のインパクトが大きい.しかし,事前の商談情報がない突発的な大口需要が発生することがあるため,販売製造管理部門では,この対応に苦慮している.現状では,販売実績データから突発的な大口需要をどのように捉え,基準在庫をどのように持つのが適正なのか,その方法がはっきりしていない.突発的な大口需要が発生する場合の需要予測に関しての研究は,筆者らの調査では国内外問わず確認されておらず,新たな需要予測手法の開発が望まれている.本研究では,事前に月度の販売実績データを層別し,その後確率分布をあてはめ,パラメータを推定し,それを用いて将来の需要を予測する手法を提案した.更に,実データを用いて検証することで,既存手法よりも提案手法,すなわち,事前に四半期ごとに最大の月度販売実績データを抽出し,その後極値分布をあてはめる手法が,突発的な大口需要の発生を的確に捉えることができ,欠品を回避し販売機会損失の抑制に効果的であることを示した.