日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
動的ロットサイズスケジューリング手法の鉄鋼プロセスへの応用
富山 伸司北條 成人山口 収村松 健児
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2020 年 70 巻 4 号 p. 185-196

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抄録

鉄鋼業では複数工程の生産プロセスによって複数品種を製造している.品種数の多さ,複雑な操業条件,及び様々な操業状況の変化のため,鉄鋼プロセスにおいて効率的な生産を行うことは容易ではない.本稿では,大規模な鉄鋼プロセスにおいて問題となる在庫超過やボトルネックを回避するため,粗いスケジュールを生成してそれらの発生や工程の将来状況を事前に可視化する手法を提案する.まず,複数工程にまたがるプロセスを制約付き動的最適化問題としてモデル化する.このモデルでは,製品は品目とよばれる単位に集約され,鉄鋼プロセス特有のロット生産が制約式を伴う計画問題として定式化される.次に,この動的計画問題に対して2段階のステップで構成されるスケジューリングアルゴリズムを適用してスケジュールを生成する.最初のステップでは,ラグランジュ分解調整法を用いて動的に適切なロットサイズを設定し,できるだけ操業制約を満足する良好なスケジュールを生成しようと試みる.次のステップでは,ヒューリスティクスを利用して実行可能なスケジュールを完成する.本アルゴリズムを実際の長期間操業データに適用することにより,実用時間で制約条件を満たすスケジュールが生成され,仕掛在庫量やボトルネックが可視化されることが確認された.

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© 2020 公益社団法人 日本経営工学会
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