抄録
マーケティングは社会環境に適応しかつそれを創造してゆくなかでその機能の拡大・深化をはかり, 生活における物質的豊かさの形成, 経済成長を促進してきた.しかし一方ではそれは諸種の社会的矛盾の生成にも関わっている.本稿は消費者欲求と製品との乖離, および大量生産・大量消費の大衆消費社会の活動と自然・生態系との不調和という二つの社会的矛盾現象に注目し, それらを企業における製品実現の技術体系のあり方の反映としてとらえ, この技術体系の形成にマーケティングがいかに作用しているかを検討することによって今後の課題を見いだそうとするものである.