日本経営工学会誌
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混合正規母集団からの観測値の同定についての一考察
小池 慎一
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1977 年 28 巻 2 号 p. 161-166

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抄録
本報は, 混合しているかもしれない正規母集団より無作為抽出された標本の予備検定を含む同定のある方法を提案し, その性能を論ずる.ここに, その帰無仮説H_0を「母集団は混合していない」とする.同定基準は, 謝り率を最小とする基準(MER基準)と平均二乗誤差を最小とする基準(MSE基準)をとりあげる.混合比をp, 混合しているかもしれない正規母集団の平均をδ(≧0)とすると, MER基準の下では予備検定なしがよい.MSE基準の下では, p≦Φ(-δ/2)なるp, δの場合予備検定するのがよい, と理論的に示された.他方, p, δの推定をその手順に含めた統計実験の結果では, 小さなp, δに対しては有意水準α=0.05程度の予備検定をするのがよい.大きなp, δに対しては, 予備検定をしてもしなくともほぼ一定の性能であることが示された.
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© 1977 公益社団法人 日本経営工学会
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