抄録
本報では, 重要構造システムの一つである原子力発電システムのうちの圧力容器をモデル化し, モンテカルロ法により保守を受けるシステムの信頼性解析を試みる.そのため, システムの実際の使用状態を考慮して決定したパラメータ入力値に基づき, 六つのサブシステムからなる原子力発電システムの破壊および保守状況をシュミレートした.この結果より, 定期欠陥検査回数の信頼度、またはアベイラビリティへの影響, そして保全方式(修理, 交換)の違いによる影響を考察し, 効果的な保全政策を示唆する.さらに, シュミレーションに用いたパラメータのセンシティビティを調べ, システム信頼性を高めつつ, アベイラビリティを向上させる方策をも検討する.