抄録
人体美究明のためのプロポーション研究は古代ギリシャ時代から, たゆむことなく執拗に続けられてきた.しかし, それらの多くは研究のための研究という どちらかというとアカデミックで理論的なリサーチが優先していた.そして実際には絶対者のためのなぐさみともとれるふしがあったりして, 大衆の実生活面に通ずるニーズに応えていない憾みがあった.そこで多くの古来の人体美研究を基盤に, 一般女性自身の意識をプロポーション研究の参考にしながら, かくあればと想像するアイデアル・プロポーションを設定した.これをビューティフル・プロポーションと命名し, 20歳代, 30歳代, 40歳代それぞれの年代の女性にふさわしい実現可能で標準的な美しさをもつ体型として提案した.そして, 実際の体系がビューティフル・プロポーションに近づくための方法をさぐることにした.商品開発の道の一つは, このあたりにあるものと考えている.
