1985 年 36 巻 3 号 p. 159-166
不動産仲介市場において(1)市場は一つのセンター地域と複数のローカル地域とに分割できる.前者の商圏は概ね全市場をカバーするが, 後者は局地的である.店舗の多くは前者に集中している.(2)商圏の広さは店舗固有の集客力のほかに, 地域によって決定される要素がある.商圏についてこのような仮説が成り立つことを, 具体的なデータを通じて検証する.モデル市場は福岡と神奈川で, 不動産市場の近代化が進みシステム化が行われた結果, この種の研究が可能になった.解析方法には多変量解析の応用として, SPSS(stastical package for the social sciences)が使われている.