抄録
S・L・P手法(R.Mutherによる)は設備配置問題の解決のための体系的な手法であり, その利便と実利の両面において高く評価されている.この手法は経験則に基づいて構築されており, 設備配置の問題構造と解発見過程についての論理的基盤は手法の底部にうもれたままになっている.設備配置にかかわる問題解決のさらなる展開のためには, 研究的視点からこの先駆的業績としてのS・L・P手法をとらえることが重要と考える.本研究では, 前々報〔1〕, 前報〔2〕の研究成果をふまえ, 設備配置の設計過程の論理的解明を試みている.研究方法としては, S・L・P手法を提題としてとりあげ, 論理学上の統整的方法に基づき, 論拠の設定, 提題分析、論証および総括の手続を経て, 結論として「設備配置の設計過程」を提案している.