日本経営工学会誌
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区間係数をもつ線形計画問題の定式化とその解析
石渕 久生田中 英夫
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1989 年 40 巻 5 号 p. 320-329

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抄録
本研究では, 区間係数をもつ線形計画問題の定式化とその解析を行う.まず, 通常の線形計画問題の係数を区間係数に置き換えることにより, 区間係数をもつ線形計画問題の定式化を行う.次に, 区間係数をもつ制約不等式を取り扱うため, 区間と定数との間に不等式が成り立つ度合を定義する.この定義により, 区間係数をもつ制約不等式が通常の線形不等式に変換される.さらに, 区間目標関数の最大化を行うため, 区間利得の間での意思決定者の選好を表わす順序関係を定義する.この定義により, 区間目標関数の最大化問題が, 区間目標関数の左端と中心の最大化を目標とする多目的計画問題に帰着される.また, 同様の議論を, 区間目標関数の最小化問題に対しても行う.最後に, 数値計算例により, 目標関数と制約条件式に区間係数をもつ線形計画問題の解法を示す.
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© 1989 公益社団法人 日本経営工学会
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