抄録
本研究の目的は, N要因(神経症的性格特性)の職場のストレスに対する影響を検出することである.調査対象者は, 306名の女子従業員であり, 職場におけるストレッサー, ストレスおよびN要因を調査した.ストレスの測度は, 「抑うつ感」である.N要因はMPIテストのN尺度によって測定した.結果は, (1)N要因は, ストレッサーの発生を増強させた, (2)N要因は, ストレスに直接的に作用して, ストレスを増強した, そして, (3)N要因とストレッサーとのストレスに対する交互作用は, 有意であった, というものであった.