抄録
近年, JIT生産が多くの企業に取り入れられ, ムダな在庫を削減した効率的な生産に成果を上げている.一方, 個人嗜好の高まりにより製品の多様化が急速に進展している.そのため, 生産工程において月に1個程度しか使用されない部品(微少引き取り部品)が多数生じている.そのような微少引き取り部品に対して, かんばん方式を適用すれば, 工場全体での工程間在庫量は膨大な量になる.そこで本報文では, かんばん方式において微少引き取り部品が引き起こす, このような問題を解消するために, かんばん方式にMRPの概念を統合したMRP/JIT方式と, 改良定量引き取りかんばん方式, MRP方式および定期引き取りかんばん方式を様々な条件下で比較し, 運用総費用について解析する.さらに, 各方式の有効性についても解析する.