日本舶用機関学会誌
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直交流円管群の管外気流の構造およびそれに起因する振動に関する研究
石谷 清幹西川 栄一八木 栄一
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1975 年 10 巻 1 号 p. 66-73

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抄録
管軸が気流に直交する円管群の管外気流に起因する振動では, 管群中に構成される気柱の振動, カルマンうずによって励起される, あるいは, 流力弾性的機構による管の振動などが注目される.これらの問題を解明するには, まず管外気流の構造をは握することが重要である.ここでは, 管群を通過する管外気流を複雑なカルマンうず流れとみる立場から, その構造について気流の可視化を主要な手段にして調査し, 以下の点が明らかにされた.
(1) ストロウハル数は, うず形成領域の大きさと密接に関係している.うず形成領域の大きさは管配列によって大きく変化するので, ストロウハル数もまた広範囲に変化する.
(2) フローパターンは管配列によって変化し, 管群中ではカルマンうずが形成されないパターン, あるいは, 管間噴流がコアンダ効果によって主流方向から偏向するパターンなど, 特徴あるパターンが存在する.
実験で得られたストロウハル数の値を使って, ディーゼル船にとう載されている排ガスエコノマイザにおける気柱振動について検討し, 気柱振動が発生する危険性を指摘した.
さらに, 管の振動に関しては流力弾性振動をとりあげ, 一列管群を対象にした実験を行なった.そして, 流力弾性振動が発生する流速範囲の存在することを明らかにし, その限界流速と管配列ピッチとの関係を求めた.
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