論文ID: 11716
【目的】高齢者の身体機能と身体能力認識が運動戦略に与える影響を隙間通過課題を用いて検討することである。【方法】対象は若年者12 名と高齢者20 名で三次元動作解析装置,アイマークレコーダを使用し,課題は5 m の歩行路にパーテーションを設置し隙間を通過する動作とした。高齢者は身体機能評価から転倒Low risk(以下,LR 群),High risk(以下,HR 群)に分けた。さらに隙間通過する際に身体を回旋するか否か質問し,申告通りか否かで身体能力認識を確認し正確群と誤認識群に分けた。【結果】 HR 群LR 群ともに身体幅よりも狭い隙間を通過する際に若年者に比べ歩幅が縮小し,HR 群の骨盤回旋角度はLR 群に比べ大きかった。また身体能力認識を誤認識する高齢者は障害物注視時間が長かった。【結論】 高齢者の身体機能と身体能力認識は,障害物回避時の運動学的な変化と障害物注視時間に影響することが示唆された。