日本舶用機関学会誌
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差動変流器による自励交流発電機の並列運転について
武田 幸男根岸 道明西村 正太郎
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1969 年 4 巻 7 号 p. 383-390

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抄録
船用交流発電機の並列運転時に発生する無効横流を抑制するため, 各種の横流補償装置 (CCC) が使用されている.ところがこれらのCCCは, 負荷力率が低い場合には母線電圧を低下させるように作用し, 自動電圧調整器 (AVR) の定電圧動作と, 逆の効果をおよぼす.したがって, 横流補償効果を高めようとすれば, 当然, 母線の電圧変動率は発電機単独運転時のときよりも大きくなる.
われわれは横流補償回路に差動変流器 (DCT) を使用して, 並列運転時の電圧低下が軽減することを実船の実験によってたしかめた.そして, この回路の解析を行なって差動変流器の定数による影響を検討し, 実験結果と比較して解析結果が妥当であることをたしかめた.
差動変流器は任意のAVRに対して使用でき, またこれの使用によって発電機の電圧変動率を, 単独, 並列のいずれにおいても約±1%以内とすることができる.
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