抄録
学校図書館運営マニュアルの作成状況を調査し,内容分析を行い,全体的な特徴及びマニュアルが想定する対象者によって内容にどのような違いがあるのかを明らかにした.調査は都道府県教育委員会,東京都内自治体の教育委員会,都道府県学校図書館協議会を対象に行い,70 自治体・団体から回答を得た(回収率:45.4%).分析の結果,多くの学校図書館運営マニュアルから学校図書館運営を活性化するためのアイディアを提供する意図が窺えた.また,想定する対象者によって重視する内容が異なることが分かった.司書教諭・図書館係教諭向けのマニュアルは学校図書館活用教育を行うための指導の手引きとしての性格が強い.一方,広範な対象者を想定したマニュアルは,どのような立場や経験を持った人が読んでも活用可能な内容になるよう工夫されていた.