日本金屬學會誌
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軸受性能に就いて(第1報)
水野 昂一
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1944 年 8 巻 10 号 p. 537-544

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抄録
軸受性能とは耐荷重性,耐磨耗性及びなじみ性の總稱である.金屬材料の摩擦面には特殊の防護被膜が生成されるもので軸受性能を論ずる場合この被膜の存在は無視出來ぬ.普通の耐磨耗材料では耐荷重性と耐磨耗性とを滿足すればよいが軸受は更になじみ性を必要とする.このなじみ性は耐磨耗性とは逆の性質である.摩擦面に生ずる被膜は主として酸化被膜であるがこの被膜の性状は各種各様である.軸受滑り面にはこの酸化膜が成長し潤滑油を吸着し爾後の油膜保持能力を促進する.この時が所謂なじみである.運轉中に於て酸化膜の機械的破壊力が下地よりの被膜生成能力と同一になる時又は磨耗力となじみ力とが釣合ふ時が限界潤滑である.磨耗能力が勝り摩擦熱蓄積は終に燒付へ導く
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© 社団法人 日本金属学会
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