食生活総合研究会誌
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会津地方の伝統食品に関する研究 (第2報)
鯨の山椒漬けの遊離アミノ酸組成について
会田 久仁子星 タネ湯田 悦子馬場 又平角野 猛諸岡 信久山田 幸二
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1993 年 4 巻 1 号 p. 45-49

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抄録
福島県会津地方の伝統食品である鰊の山椒漬けの遊離アミノ酸組成を検討し, 次の知見を得た.
1)鰊の山椒漬けの身の部分の遊離アミノ酸総量は759.0~1827.7mg/100gであった.各遊離アミノ酸ではグルタミン酸量が平均241.3mg/100gで最も多く, 次いで, アラニン, ロイシン, リジンが多く, これら4種のアミノ酸量で遊離アミノ酸総量の45.1%を占めていた.
2)鰊の山椒漬けの調味液の遊離アミノ酸総量は1654.0~7525.0mg/100gであった.各遊離アミノ酸ではグルタミン酸量が平均800.4mg/100gで最も多く, 次いで, アラニン, ロイシン, アスパラギン酸, リジンが多く, これら5種のアミノ酸量で遊離アミノ酸量の51.6%を占めていた.
3)冷蔵庫で保存した場合, グルタミン酸, アラニン等の呈味成分は7日前後で最も多く測定される傾向が認められた.したがって, 1週間程度の保存期間が望ましいものと考えられた.
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