抄録
本稿は大学の情報系学科にて,情報システム企画を学ぶ授業の具体内容と改善内容および教育効果について述べる.年間を通じ,企業と連携し企業の実課題を対象とした情報システム企画を行うもので,1年次の必修授業として2013年度より実施している.改善を続け2016年度からは前期「企画練習」,後期「企画実践」で構成している.「企画練習」は学生に身近な課題にて座学と演習を交え,繰り返し学習する.「企画実践」は学生に対し企業から直接企画課題を提示した上で,企画立案,企画書面作製,企業による選抜を受け,企業に対するプレゼンテーションを実施する.我々は授業の改善過程で人間中心の情報システム学としての位置付け,現実的な環境での実践的学習体験の価値を認識し,教育効果に客観性を求めるに至った.学習成果物評価により論理的かつ妥当性ならびに客観性のある結果が得られ,アクティブラーニング型授業効果調査により,学習動機の改善に寄与する結果が得られた.