2012 年 5 巻 p. 15-31
本研究の目的は,スナッチ種目のバーベル軌跡を分析することで,日本人男子ウエイトリフターの技術的特徴を明らかにすることであった.優勝選手群と最下位選手群の比較では,力の発揮角度およびバーベルの水平方向の変位に違いがみられた.しかしながら,上位群と下位群の比較では明らかな違いがみられず,優勝選手群,最下位選手群の特徴は上位群,下位群の特徴と必ずしも一致するものではなかった.一方,優勝選手群と先行研究にみられるアジア,世界一流選手との比較では,バーベルの軌跡,挙上高,移行期における鉛直方向の加速度において違いがみられたことから,パワー発揮能力だけでなく,挙上技術においても違いがあることが示唆された.