抄録
本稿は、歴史都市におけるヘリテージ・ツーリズムをテーマ空間と行為の動機の視点から考察する。まず、博物 館や観光空間を単なるヘリテージではなく、場所の文化とクロノトポスから成るテーマ環境やテーマ化された 景観と捉える。続いて、テーマ環境やテーマ化された景観すなわちテーマ空間に組み込まれたエンターテインメ ントが観光者にモデル化された行為を促す構造を劇学の観点から検討する。最後に、観光政策、テーマ空間、動 機のカテゴリーとしての場面や行為、および観光者の関係を明らかにする。ヘリテージ・ツーリズムにおけるテ ーマ空間と行為の動機を実証するために、事例として英国のヨークを取り上げる。