2024 年 36 巻 1 号 p. 71-76
本研究は327名の被験者を対象とした実験を行い、ポスター接触、及び観光情報サイト訪問者の属性と、観光情報サイト閲覧行動の関係を明らかにした。実験の結果、ポスター接触あり群は接触なし群よりも、観光情報サイトからの直帰率が低いことが明らかになった。また、女性は男性よりも閲覧した項目数が多いことや、「交通アクセス」「体験の案内」「グルメ」の3項目で男性よりも閲覧率が高いことが示された。年代別分析では、若い世代ほど直帰率が高かった。さらに、閲覧率は「体験の案内」「観光スポット」の2項目で若い世代ほど高く、「イベント一覧」は若い世代ほど低かった。以上の結果から、ポスターへの接触は観光情報サイト上の情報に対する関心を高める一方、閲覧する情報の内容は観光情報サイト訪問者の属性により異なると考えられ、ポスターから誘導した先の観光情報サイトはターゲットの属性に応じて工夫する必要があることが示唆された。