抄録
当研究では,携帯電話会社の提供する人口統計データをもとにコロナ禍がもたらした観光地への影響を検討した。京都市とその周辺の観光地における人口の属性(性別・年代・居住地)や時間帯ごとの集客状況の推移を測定した。人口の推移に関しては,どのエリアもパンデミックの影響による人口の減少が観察できる。特に,4 月に減少が顕著である。パンデミックの影響にもかかわらず,京都駅や大阪駅などのビジネスや商業の盛んなエリアでは,2020 年 10 月には減少した人口が概ね回復した一方で,清水寺などの観光地では,人流の回復が弱い傾向が示された。