日本救急医学会雑誌
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重症病態での厚生省DIC scoreのTAT, PIC,血小板数による分析
赤堀 通哉石倉 宏恭松尾 信昭松原 峰生北澤 康秀田中 孝也
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キーワード: DIC基準, 血小板, TAT, PIC
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1996 年 7 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
目的:重症病態での厚生省DIC scoreのTAT, PIC,血小板数による分析。方法:1989~1991年の3年間でTAT値,PIC値,DIC scoreを同時に測定し得た100症例について,DIC scoreを搬入時,DIC最悪値,退院時の298件算出し,厚生省診断基準のDIC scoreをもとにTAT値,PIC値,血小板数の3項目による簡便型DIC診断基準を敏感度,特異度の検討から考案した。結果:厚生省診断基準との比較において,(1) 0≦PIC≦0.8(μg/ml), (2) 0.8<PIC<2.0(μg/ml), (3) 2.0≦PIC(μg/ml)での敏感度は,おのおの95.7%, 82.4%, 85.2%で全体で86.9%であった。特異度はおのおの98.1%, 85.4%, 98.8%で全体で93.5%であった。結語:厚生省DIC scoreの分析の結果,TAT値,PIC値,血小板数の3項目のみでDICを簡便に診断できる可能性が示唆され,今後さらに検討を重ねていきたい。
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