2014 年 23 巻 1 号 p. 22-25
乳癌の分野においても診断と治療の専門化が進み,それぞれの担当者が責任をもって次の診療方針を指示する傾向が米国を中心に広がってきた。特にBI-RADSのCategory分類は単に診断を予測するものではなく,次の戦略を指示するものとして高い評価を受け,ヨーロッパのみならずアジア各国にも普及した。一方,国内においては細胞診の判定のPapanicolaouのクラス分類をカテゴリーという言葉に置き換えたのみで,国際的な標準の評価方法とは異なっている。今までアジアの各国において超音波の指導を行ってきたが,日本のカテゴリー分類については混乱を招くと批判が多く届けられた。今後,超音波の検診が認められた際には,マンモグラフィとの整合性,国際的な整合性が問われ,さらにはMRIとの整合性も問われるところとなるであろう。国内のマンモグラフィのカテゴリー分類はわが国においてそれなりの評価はあったものの,今後の国際化,多種の診断技術との比較を考慮するとBI-RADSのCategory分類に合わせることが適切と考える。