日本乳癌検診学会誌
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第30回学術総会/特別企画1 マンモグラフィ検診の20年
  • 大内 憲明
    2021 年 30 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    対策型がん検診の法基盤は健康増進法にあり健康増進事業として実施されている。がん検診の指針は,厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」における議論を経て必要な見直しが行われている。 一方,わが国の乳がん検診の歴史は1960年代に遡り,1987年に第2次老人保健事業として問診および視触診による検診が開始された。この頃の世界の乳がん検診は,RCT で死亡率減少効果が示されたマンモグラフィ検診であった。日本でも1990年頃から評価研究が行われ,2000年度から50歳以上に,2004年度から40歳代に導入された。マンモグラフィ導入後,20年が経過した。 国のがん対策推進基本計画は第三期(平成30年~)に入っているが,「がん検診のあり方に関する検討会」では,今後のがん検診のあり方について協議を重ね,基本条件や検診の利益・不利益等の議論を行い,1)指針の見直しの方向性,2)2021年度以降のがん検診,3)新たな検査項目の指針への導入を検討するに当たっての基本的な考え方について,2020年3月に中間整理した。 現在の乳がん検診のモダリティであるマンモグラフィは万能ではない。新たながん検診検査法の研究開発,評価が必要であり,J―START で40歳代における超音波検査併用の有効性が検証されている。優れた研究成果をスピーディに政策に反映できるよう,効率的で公平に導入可能な,新たな評価の仕組みが必要になっている。
  • 遠藤 登喜子
    2021 年 30 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)はマンモグラフィ(MG)の精度管理を目的に,1997年11月日本乳癌検診学会理事会において,マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)として設立が決定された。1998年には教育・研修委員会と施設画像評価委員会の設置が決定され,前者は1999年4月から,後者は2001年4月から事業が開始された。以後,乳房画像とその判定の精度を保つために更新制度を導入,2020年3月現在で,読影有資格者は10,546名,技術有資格者は12,658名,施設画像評価認定は1,733施設1,816台となっている。活動開始時にはアナログシステムであったMGは,その後,CR からDR へと変化,画像表示系もハードからソフトへと変化し,現在ほとんどの施設がデジタルシステムへ移行し,約2/3はソフトコピー診断へと移行している。精中機構では機器の変化を見越し,デジタルMG の診断講習会と品質管理講習会を構築,工業会とともに順調な移行を実現してきた。一方,MG 弱点の補填と精密検査の精度向上を目的とした乳房超音波検査の精度管理を行うため,2013年超音波関連3学会の参加をもって,日本乳がん検診精度管理中央機構と改組された。超音波の精度管理活動では,日本乳腺甲状腺超音波医学会の確立した講習会を引き継ぎ,医師3,505名,技師4,521名の受講者を数えるに至っている。装置や画像の品質基準は精度管理に必須であり,その決定は喫緊の課題と位置付けられるが,現在精力的に進められている。
  • 鈴木 昭彦, 石田 孝宣, 渡部 剛, 原田 成美, 塩野(成川) 洋子, 鄭 迎芳, 大内 憲明
    2021 年 30 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    マンモグラフィ検診は有効性の証明された唯一の検診方法であり,わが国でも2000年から対策型検診として推奨され,20年が経過した。マンモグラフィ検診では50歳以上の年代と比較して40歳代では検診精度が低下し,比較的不利益が大きいことが知られている。若年者でマンモグラフィの診断精度が低下する最大の理由は高濃度乳房であり,乳房構成に影響されることが少ない超音波検査はその解決策として期待されている。 2007年よりマンモグラフィ検診に超音波検査を追加した場合の有効性を評価する比較試験(Japan Strategic Anti-cancer Randomized Trial:J-START)では,超音波検査の追加により乳癌発見率はおよそ1.5倍に増加するが(184:117),要精検数も1.5倍(4647:3153)に増加し,利益だけでなく不利益も明らかとなった。 超音波検査の追加による利益を保持したまま,不利益である特異度の低下を防ぐ目的で,マンモグラフィと超音波のそれぞれの利点を生かした総合判定を行うことで克服する試みが行われている。 J-START は高濃度乳房をターゲットにした研究ではないが,対象とした40歳代女性では高濃度乳房の割合は高く,高濃度乳房対策としての超音波検査の位置づけに関しても多くの知見が得られている。 長い年月を経て成熟してきた乳がん検診であるが,現在の形が最善型だと考えず,常に改善を目指す取り組みを継続することが求められている。
第30回学術総会/ シンポジウム1 乳房構成から見た乳癌検診のあり方を考える
  • 角田 博子
    2021 年 30 巻 1 号 p. 15-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
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    マンモグラフィにおける乳房構成について,その経緯,具体的方法,課題などを述べた。この具体的内容については,参考に示すガイドラインやホームページなどに詳細をすでに記載しているため,ここでは,簡単な概略だけを記載した。
  • 井上 慎吾, 大森 征人, 中山 裕子, 木村 亜矢子, 北橋 敦子, 高橋 ひふみ, 斎藤 亮, 高橋 和徳, 山本 淳史, 滝口 光一, ...
    2021 年 30 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
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    マンモグラフィ(MG)による乳房構成と乳癌の臨床的所見との関連を検討することを目的とした。2018~2019年の2年間に,MG,超音波検(US),手術を行った254例を対象とした。乳房構成を脂肪性,乳腺散在,不均一高濃度,極めて高濃度の4分類とし,乳癌診断年齢,BMI,サブタイプ分類,病期,発見契機,診断MG,US カテゴリーと比較検討した。高濃度になるほど,年齢とBMI は有意に(p<0.01)低下した。4分類とルミナール型の比率に差はなかったが,脂肪性でトリプルネガティブ型の比率が比較的高かった。発見契機では脂肪性は腫瘤自覚が多く,その他3分類は濃度が高くなるほど,腫瘤自覚の比率が高く,検診・ドック発見の比率が低下した。高濃度乳房では,手術症例に限定した診断MG でも著明に診断能が低かったが,早期癌比率は他と同等であった。これは診断US で補うことができていたためと考える。乳房構成はさまざまな要因によってその濃度が形成されるため,乳癌の単純な臨床所見との比較で,明確な結論を見つけることはできなかった。今後は有効な因子で層別化した後に乳房構成を再検討していきたい。
  • 笠原 善郎
    2021 年 30 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    マンモグラフィ検診では乳房濃度が高いほどがん検出感度が低下し,高濃度乳房問題はマンモグラフィ検診の偽陰性問題としてとらえるべき課題である。乳房構成を通知するか否かは現在市町村の判断に委ねられているが,通知するのであれば「高濃度乳房について」(QA 集)を参考に対策型検診として科学的根拠に基づきその後の指導を行うべきである。通知を行う際は,偽陰性に関する啓発を行い受診者の通知希望の有無を確認した後,高濃度乳房かどうかではなく四区分の乳房構成(脂肪性,乳腺散在,不均一高濃度,極めて高濃度)を示す必要がある。高濃度乳房と記すのみでその後の対処法を示さない通知や,一律に乳房超音波検査推奨する通知は行うべきではない。受診者がいたずらに不安に陥ることなく適切な行動がとれるよう配慮した対応が必要で,そのための体制整備(説明体制,質問窓口,社会資源の整備など)が今後の課題である。
  • 植松 孝悦
    2021 年 30 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
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    ブレスト・アウェアネスは,「乳房を意識する生活習慣」を通して,年代に関わらず女性が乳房の状態に日頃から関心をもち,注意すべき乳房の変化を知り,変化を感じたら医療機関への早期受診と定期的な乳がん検診の受診を勧奨する乳房の健康教育である。近年,高濃度乳房による検診マンモグラフィの偽陰性が,乳がん検診の不利益として注目されている。その問題の対応策として,超音波検査などの補助的モダリティを乳がん検診に追加する研究も進行中であるが,それらの補助的乳がん検診モダリティが乳癌死亡率減少効果を示した報告はなく,科学的根拠に基づく乳がん検診としては検診マンモグラフィ以外のモダリティを使用することは推奨されない。よって,現時点の検診マンモグラフィ偽陰性問題の具体的かつ現実的な正しい方策は,ブレスト・アウェアネスを啓発し,乳房の変化を自覚したらすぐ医師へ相談することである。ブレスト・アウェアネスの啓発に器機の整備や購入の必要性はなく,その体制を整えることも比較的容易で,速やかに全国一律で実施することが可能である。ブレスト・アウェアネスは,効率的かつ効果的な乳癌の早期発見の手段であり,乳がん検診と並ぶもう一つの乳癌対策の医療政策として,わが国も積極的に導入すべきである。
  • 前里 美和子, 小川 優理, 小泉 美都枝, 福田 護
    2021 年 30 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    「Smile Mamma Marianna」(以下SMM)は診療放射線技師を中心とした乳がん検診啓発団体である。われわれ診療放射線技師はマンモグラフィ撮影業務のなかで,高濃度乳房について日々対応策を模索している。マンモグラフィによる乳がん検診は高濃度乳房の偽陰性の問題があり1),高濃度乳房問題に対する対策としてブレスト・アウェアネスの普及が重要とされている。ブレスト・アウェアネスは「乳房を意識する生活習慣」であり1,2)「女性が自身の大切な乳房について意識して関心をもつ。乳房の健康を知り見守る習慣を身つけて,変化に気付いた際には適切な受診行動ができる」この概念を私たちはブレスト・アウェアネスと考えている。ブレスト・アウェアネスの普及は高濃度乳房の人にこそ必要であると考えられる。SMM は活動の一環として子育て中の女性や大学生との共同セミナーを行っている。セミナーでは,乳がんに関する情報提供や画像検査について加え,高濃度乳房やブレスト・アウェアネスについても内容に盛り込んでいる。子育て中の女性や大学生(若年者)は高濃度乳房の割合が高い世代であり,ブレスト・アウェアネスの概念を伝えることは,高濃度乳房問題の対策と適切な受診行動への誘導ができることが示唆される。また,この活動は学生が知るべき「がん教育」の一環としても取り入れられると考える。
総説
  • 植松 孝悦
    2021 年 30 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    乳癌発症リスク層別化による乳がん検診は,不利益の少ない対費用効果も優れる乳がん検診になると考えられ,世界各国でトライアルが開始されている。未発症BRCA 遺伝子変異保持者をはじめとする乳癌high risk 群の乳がん検診は,究極のリスク層別化乳がん検診である。40~49歳の日本人女性を対象とした超音波検査併用検診マンモグラフィのランダム化比較試験J―START もリスク層別化乳がん検診の研究と解釈できる。乳癌発症リスクの決定方法として,Gail モデルを代表とする古典的な乳癌発症リスク評価システムにマンモグラムの乳房構成や遺伝子多型情報を組み合わせて判定する方式が世界のトレンドである。日本人女性に欧米の乳癌発症リスク評価システムは使用できないので,乳癌好発年齢(45~49歳)と乳房構成,家族歴の情報を主体として,前向きコホート研究でリスク因子の科学的根拠を集積して決定する必要がある。これまでにリスク層別化乳がん検診の有効性を示す確固たるエビデンスはないが,英国で行われているリスク層別化乳がん検診のトライアル結果は,正確に乳癌発症リスクを判定し,偽陽性や過剰診断などの乳がん検診の不利益を減少させ,利益が確実に上回る乳がん検診となるデータとエビデンスを蓄積しつつある。日本においてもこれからの医療経済や医療効率を考えるとリスク層別化乳がん検診の導入ついて積極的な議論と研究が必要である。
第10回全国集計結果報告――2017年度
原著
  • 松本 綾希子, 高橋 宏和, 角田 博子, 鈴木 昭彦, 植松 孝悦, 笠原 善郎
    2021 年 30 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    2020年3月以来,日本国内での新型コロナウイルス流行の影響を受けて,乳がん検診の開始時期が多くの自治体や職域で延期となった。6月以降徐々に再開しているが,一般市民が検診受診についてどう考えているかは明らかではない。そこで今回,3月来の新型コロナウイルスの流行が,受診意図にどのような影響を与えているのか分析するためにアンケート調査を実施した。全国の40~69歳の一般女性に対し,2020年9月3~7日にインターネットによるアンケート調査を行い,4,700名から有効回答を得た。約半数の回答者が今年乳がん検診を受ける予定があったが,46%が予定を変更すると回答した。年齢が高いほど,またこれまで定期的な検診受診歴がないほど,予定を変更すると回答した。居住地域の流行度や周囲に感染者がいたなどの背景因子は,受診意図の変化との強い関連はみられなかった。今回のような未知の感染症流行という事態においても,乳がん検診の受診には平時の検診習慣が影響を与えていることが示唆された。また,検診を受けられない間は「ブレスト・アウェアネス」を実践することも重要である。今後の流行状況などによって,調査時点での受診意図と実際の受診行動は異なる可能性があるため,年度末に再度同規模の調査を行う予定である。
  • 内林 由香, 星野 修平, 谷口 杏奈
    2021 年 30 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    わが国における乳がん検診は,1987年視触診導入により開始され,その後2000年にマンモグラフィ検査が導入された。マンモグラフィ単独検診において死亡率減少効果が認められた一方,視触診については死亡率減少の上乗せ効果を判断することができないこと,精度管理が困難なことなどの経緯から,2016年推奨しないとされた。 われわれが2018年に行った前回調査では,本県群馬県の乳がん検診の実施体制の全容を解明することはできなかった。そこで,実施状況について質問紙調査を行った。集団,個別検診ともに指針に基づく検診が実施されているものの,その割合は指針で推奨されない検診を下回る実施率であった。指針に沿った検診を行うことにより,受診者の拘束時間の短縮や検診費用削減が期待できる。 視触診が推奨されないことを補う対策として,自己触診法の重要性が報告されている。乳がん検診を行う現場では,診療放射線技師による乳房自己触診の指導や,マンモグラフィ撮影技師による問診と触知の実施,撮影技師が知りえた情報の医師への報告,専門知識を備えた技師による受診者に対する説明など,技師による様々な取り組みが行われている。マンモグラフィ単独検診移行のためには,診療放射線技師技師による取り組みがより重要であると考えられる。
  • 中村 登紀子, 加藤 京一, 鈴木 昇一, 小林 育夫, 根岸 徹
    2021 年 30 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    フィリピン共和国(以下,フィリピン)において検診は,未だ公的には行われておらず,特にがん検診のほとんどが個人の選択に任されている。フィリピンにおける乳癌は女性が罹患する癌のなかで最も多く,女性の癌死因の主な原因となっている。しかしながら,唯一死亡率減少効果が証明されているマンモグラフィ乳がん検診(以下,MMG 検診)においても受診率は低く,その費用は全額個人負担となる。そこで,生活環境や知識レベルの違いによるMMG 検診への意識や理解の違いを検討するため,一般企業勤務の女性スタッフを対象に,MMG 検診に対する意識についてアンケート調査を行い,MMG 検診の受診率の向上のための今後の啓発活動の在り方を指し示すこととした。アンケート結果から,MMG の受診の必要性への理解は95.5%と高かったが,受診機会がない,苦痛である,恥ずかしい,費用が高いなどの要因が大きく作用し,受診が阻まれていた。子宮頸癌検診のようにPhilHealth からの給付が認められることよって,継続受診につながることとなる。そして,今後,社会進出が見込まれるフィリピンの女性にとって,MMG 検診を身近なものにするためには医療保険制度の充実はもちろん,時間や場所などを含めた受診環境を整備し,適切な金額を設定することで,継続して受診できるようになると考える。そしてこの考えをフィリピン国内において啓発していくことが必要である。
  • ――乳癌検出感度について
    八木下 和代, 角田 博子
    2021 年 30 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    マンモグラフィ(以下MG)における乳房構成の評価は,観察者間および観察者内でばらつきが生じることから,これを低減するため,日本乳がん検診精度管理中央機構および令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金・がん対策推進総合研究事業「乳がん検診の適切な情報提供に関する研究」班が共同で,乳房構成をより具体的に評価する方法を作成した。本研究では,この方法に基づき乳房構成を判定し,構成別の乳癌検出感度の傾向が過去データと同等かどうかを検証することを目的とした。 2018年12月~2019年3月に,当院にて乳癌に対し乳房手術を施行した281名(321病変),28~95歳(中央値50歳)のうち,術後同側再発,当院でのMG 未施行,豊胸術後にて乳房構成の判定が困難な症例を除いた250名(283病変)に対し,検診MG 読影認定医師2名が乳房構成を再評価し,病変ごとの検出の可否を検討した。 乳房構成は,脂肪性2.8%,乳腺散在52.0%,不均一高濃度37.6%,極めて高濃度7.6%であった。乳房構成別の乳癌検出感度は,脂肪性87.5%,乳腺散在81.2%,不均一高濃度66.0%,極めて高濃度45.0%であった。 乳房構成別の乳癌検出感度は過去データとおおむね一致し,高濃度乳房で低下した。今後は,実際に評価のばらつきが低減されることの確認作業が必要と考えられた。
  • 佐々木 みゆき, 坂 佳奈子, 富樫 聖子, 川上 睦美, 川口 祐子, 古賀 知子, 伊藤 裕美, 細谷 小百合, 八木 真央, 小野 良 ...
    2021 年 30 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,乳がん検診において乳房の構成の通知の是非を問ういわゆる高濃度乳房問題が生じている。現在,乳腺を定量的に評価するための様々なソフトウェアが開発され,マンモグラフィ装置に搭載されている。欧米人を対象に乳房密度評価ソフトウェアQuantra®を用いて高濃度乳房と非高濃度乳房のカットオフ値が算出されているが,日本人をはじめとするアジア人を対象に同様の定量的評価を行った報告はない。今回,我々はQuantra®を用いた定量的評価を行い,日本人における最適なカットオフ値について検討した。また,乳房厚の薄い30mm 未満の場合でカットオフ値に違いがあるのかについても検討した。その結果,当施設における日本人の高濃度と非高濃度のカットオフ値は26%であった。乳房厚30mm 未満では視覚的に高濃度寄りに判定しがちであると言われているが,30mm 未満におけるソフトウェアのカットオフ値は32%になり,30mm 以上とは異なることが判明した。ソフトウェアによる定量的判定は経験豊富な読影医の判断には劣る場合もあるが,乳腺散在性か不均一高濃度かで意見が分かれる場合などでは,このようなソフトウェアによる定量的な判断が参考になると考えた。
  • 甲斐 敏弘, 二宮 淳, 齊藤 毅, 中野 聡子, 矢形 寛
    2021 年 30 巻 1 号 p. 87-95
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    乳腺量測定ソフトはマンモグラフィ画像の解析結果と撮影条件を用いて画素ごとに乳腺量を測定するもので,「乳腺領域の乳腺量比率(以下,FG%)」測定機能を実現したものである。特に FG%はわが国の乳房構成判定において利用価値の高い画期的な測定値である。我々は右 MLO 画像433例を用い乳房構成判定閾値の試案を設定したが,一部の画像で FG%と目視判定との間で乖離があり,その原因として圧迫乳房厚(以下,CBT)と皮下脂肪量が深く関与していることを明らかにした。CBT と FG%は逆相関関係にあり CBTの小さい薄い乳腺では脂肪量も少なく FG%は目視印象より高い値として計測され CBT30mm 未満を「みかけ高濃度」群とした。反対に皮下脂肪量が多くその影響を無視できない群があり,乳房内脂肪量の検討で CBT 46mm 以上を目視印象より FG%が低めに計測される「相対的低濃度」群とした。この群のなかでも乳房内乳腺外脂肪量(以下,ExFat)200cm3以上の群はさらに極端に皮下脂肪量が多い症例と考えられた。これら CBT 30mm未満の「みかけ高濃度」群と,CBT46mm 以上の「相対的低濃度」群のうち ExFat200cm3以上の群についてそれぞれ FG%の測定値補正を行ったところ,著者目視判定との κ 係数は「適度に一致」から「かなり一致」へと上昇した。この試みにより FG%はより目視判定と違和感のない判定手段として利用価値が増すものと思われる。
  • ──4施設におけるディジタルマンモグラフィ画像データベースの解析
    前田 めぐみ, 信太 圭一, 中村 舞, 石井 美枝, 石井 里枝, 畑田 俊和, 岡本 瑠美, 今田 万里代, 東田 善治
    2021 年 30 巻 1 号 p. 97-104
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    ディジタルマンモグラフィのデータベースに含まれる807名の受診者の乳房構成を解析し,乳房構成の違いと平均乳腺線量の関係を明らかにすることである。 4施設5機種で撮影された807名の乳房画像を観察し,マンモグラフィガイドラインに従い4段階評価で乳房構成の解析を行った。さらに,4種類の乳房構成を高濃度乳房と非高濃度乳房の2つのグループに分け,乳房構成の違いが平均乳腺線量に及ぼす影響について解析した。 807名の乳房構成の内訳は,脂肪性乳房が9.5%,乳腺散在乳房が43%,不均一高濃度乳房が40%,高濃度乳房が7.5%であった。年齢の上昇とともに脂肪性乳房と乳腺散在乳房の割合が大きくなり,不均一高濃度乳房と高濃度乳房の割合が減少した。高濃度乳房の撮影では,非高濃度乳房の撮影に比べて16%から20%程度平均乳腺線量が増加することが明らかになった。 乳房構成の解析結果はこれまでわが国で報告されているものと同じ傾向であった。しかし,高濃度乳房は,非高濃度乳房の撮影に比べて撮影時における平均乳腺線量が増加することが明らかになった。
  • ステレオガイド下吸引式組織生検(ST-VAB)においてトモシンセシス(DBT)を応用することで検査時間の短縮につながるかを検討した。自施設(単施設)における2010年4月から2020年3月までST-VAB 施行した918例のうち不適格と判断した14例を除いた904例について後方視的に2次元のデジタルマンモグラフィ(FFDM)下とDBT 応用下で検査所要時間に有意差があるかを調べた。統計手段としてEZR を用いt-test とKruskal-Wallis検定を検査時間平均値の比較に用いた。
    合田 杏子, 田中 眞紀, 山口 美樹, 大塚 弘子, 坂田 滋, 野田 幸代, 山口 薫, 田中 美穂
    2021 年 30 巻 1 号 p. 105-111
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
  • 齋藤 祐樹, 小倉 泉, 根岸 徹
    2021 年 30 巻 1 号 p. 113-119
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル 認証あり
    早期乳がんの特徴である石灰化や腫瘤を描出するために乳房用X 線装置の品質管理が重要である。品質管理手法はディジタルマンモグラフィガイドラインとして広く受けいれられ,ファントムによる画質評価は頻繁に行われているが,X 線出力の測定は日常的には行われていない。今回,乳房用に簡易形線量計を開発し,臨床施設へ配布し,地域連携形品質管理連絡会を発足させ運用を開始している。これに合わせ品質管理データを収集する品質管理プログラムを開発した。提案するシステムはインターネット環境で動作するWeb アプリケーションにより開発を行った。品質管理項目は6か月ごとに行う不変性試験(再現性,管電圧特性,管電流時間積特性,半価層測定)と,始業時に行う日常管理とした。それぞれの試験に対してTable,HTML,Script を構築し,登録・更新・削除,一覧およびグラフ表示を開発した。各臨床施設に対して同一のユーザーID およびパスワードを与えたことで,施設間でデータを共有でき,一覧およびグラフ表示にて簡便に測定結果を視覚化することができた。マンモグラフィのDRL はAGD で評価することになっている。不変性試験での半価層特性が安定していることから,その半価層と日常管理での空気カーマを用いることで現在の装置が示すAGD を計算して表示した。使用者が,簡便に乳房用X 装置の品質管理を行えるため,臨床施設への普及を目指したい。
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