日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
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検診発見症例/症例検討/MMG~US~MRIなど
検診発見のDCISの亜型とKi67を含むバイオマーカーの検討
志茂 新大井 涼子黒田 貴子永澤 慧小島 聖子岩重 玲子志茂 彩華上島 知子土屋 恭子小島 康幸速水 亮介白 英西川 徹前田 一郎津川 浩一郎
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2014 年 23 巻 1 号 p. 82

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抄録

非浸潤性乳管癌(DCIS)のほとんどは乳癌検診により発見される。DCISの亜型は局所進行性や浸潤癌への進行の度合いとの関係性を明らかにするために作られた。特にコメド型と非コメド型の単純な分類や,そこに核異型を加えた分類により,細胞増殖活性や局所伸展との関連性があることは報告されている。当院では2010年4月~2011年4月の検診で発見した術前診断がDCISとなった手術症例294症例に対して,Ki67,ER,PgR,HER2等のバイオマーカーを全例調査し,DCISの亜型との関連性を報告した。結果はKi67の値に比例して,ER,HER2の陰性の割合が増えており,それだけでなく核異型度の割合,および術後浸潤癌へ診断が変わったものの割合も増加した。DCISにおいてKi67が各種の細胞増殖活性と相関関係にある結果となった。今回われわれは,術前診断の段階においてDCISのKi67を含めたバイオマーカーを確認することで,DCISの術後治療の指標になる可能性が高いことを文献的考察を加え,報告する。

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© 2014 日本乳癌検診学会
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