日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
アンケート調査によるマンモグラフィ読影講習会の精度管理 [4]
古妻 嘉一遠藤 登喜子岩瀬 拓士大貫 幸二永井 宏東野 英利子角田 博子大村 峯夫増田 慎三中谷 守一森本 忠興
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 11 巻 1 号 p. 72-80

詳細
抄録

乳がん検診にマンモグラフィ併用を導入する自治体がますます増加してきている。それに伴い検診マンモグラムの読影医不足が深刻な問題となっている。読影医増加の一方策として, マンモグラフィ精度管理中央委員会では, マンモグラフィ試験 (以下, 試験) を行うことにした。試験は, マンモグラフィ講習会 (以下, 講習会) の受講修了者に対し, 読影試験評価のアップグレイドを目的とし, 平成13年10月までに3回行われた。今回は講習会と同様, 試験においても精度管理のためにアンケート調査が必要と考え, 第1回から実施したので, その結果を報告する。
調査結果は, 3回の試験での総延べ受験者数は332名, 評価Aが26名 (8%), Bが161名 (48%), Cが93名 (28%), Dが52名 (16%) であった。B評価以上 (読影力あり) へのアップグレイドの内訳は, A評価へのアップは26人 (8%), B評価へのアップは74人 (22%) で合計100人 (30%) であった。逆に受験前Bから, C, Dにダウンしたのは65名 (20%) いた。ダウンした場合は, 前回から今回試験までの読影マンモグラム症例数は100例以下が48%に対し, アップした場合は読影数100例以下が33%であった。アップするには, 試験に備えマンモグラムを多く読影することが必要であることが示唆された。試験でのアンケート調査が, アップグレイドを含めた精度管理に役立つと考えられた。

著者関連情報
© 日本乳癌検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top