日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
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世界の乳癌検診の現状と成果
大内 憲明
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2004 年 13 巻 1 号 p. 9-17

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抄録
数ある癌検診の中で, 国際的に厳しく評価を受けながら, その有効性が示されてきたのは乳癌検診といえる。1960年代後半から, 無作為化割付比較対照試験 (RCT) 等の科学的根拠に基づく検証が多く実施されて, 現在, 世界の乳癌検診の基本はマンモグラフィによる検診となっている。しかし, 国際的には50歳以上がマンモグラフィ検診の対象とされ, 49歳以下における有効性は確立されたとはいえない。本講演では, 世界の乳癌検診の現状を国際乳癌検診ネットワークのデータを基に示し, 米国における最近の乳癌死亡率減少効果を示した。
罹患率は, 欧米では60~70歳代にピークがある一方で, 日本では40歳代が最も高く, 50歳未満女性への適切な導入が急がれる。40歳代は乳腺密度が高く, この年代に精度の高いマンモグラフィ検診を実施するには, 検診施設のみならず撮影技師, 読影医師の個人の評価が欠かせない。
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