日本乳癌検診学会誌
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マンモグラフィを用いた乳癌検診
笹 三徳森本 忠興原田 邦彦田中 直臣山口 哲央相良 安信
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1995 年 4 巻 2 号 p. 129-133

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抄録

マンモグラフィ検診を無症状婦人を対象に施設, 出張方式で行った結果, 要精検率 (recall rate) は, それぞれ5.9%, 10.0%, 生検率 (biopsy rate) は1.4%, 2.0%, 乳癌発見率は, 0.19%, 0.84%であった。発見動機となったマンモグラフィ所見は, 腫瘤陰影が約半数で, マンモグラフィ検診においては, 腫瘤陰影の描出が重要であると考えられた。
年齢別乳癌発見率は, 50歳代では, 施設0.43%, 出張0.79%, 60歳代では1.21%, 1.46%で, 発見率から対象者の至適年齢を検討するとマンモグラフィ検診は, 50歳以上に適していると考えられた。また, マンモグラフィ像の乳腺実質分類から検討すると, マンモグラフィ像の識別に強い影響を与えると思われるDYは, 50歳以上では2.4%と非常に少なく, マンモグラフィ検診は, 50歳以上に適していると思われた。

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