日本乳癌検診学会誌
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乳がん検診14年間を振り返って-その意義と今後の課題
原田 朱美
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1996 年 5 巻 2 号 p. 231-236

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抄録

美山町は老人人口26.8%を占める山間僻地, 医療機関, 交通機関に恵まれない地域である。昭和57年, 婦人会の要望により, 子宮癌検診と同時に実施し, 婦人検診として開始。現在は住民総合検診の一項目として実施している。
[乳がん検診の意義]
(1) 住民のニーズに合った保健事業であった。
(2) 専門の医師による集団検診。
(3) 乳がんの早期発見・早期治療。
(4) 子宮癌検診と同時実施 (受診者拡大と住民総合検診の体制づくり)。
(5) 健康づくりへの意識の向上。
(6) 理事者の保健事業に対する理解と協力。
(7) 要精検者の専門機関へのパイプ役と保健婦への指導・助言。
[今後の課題]
(1) 自己検診法の普及。
(2) 効果的な要精検者のフォロー
(3) 集団検診の精度管理 (“検診のもれ” の心理的不安解消と, 受診者が高齢化するなかでの検診のあり方の検討)。
(4) さらなる受診者拡大をはかるために (新規受診者, 若年受診者の拡大をはかるために, 健康教育の充実を)。

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