石川県では視・触診を用いた出張検診を行っている。1978年から1995年までの18年間で一次検診の延べ受診者総数は245,705人であった。受診者に対する要精検率は平均2.8%であり, 要精検とされた者の精検受診率は平均85.3%であった。癌発見率は平均0.06%, 発見された乳癌は総計144人であった。初回受診者と受診2回以上の繰返し受診者との比較では, 繰返し受診者にTis と Stage I を併せた早期乳癌症例が多かった。また, 検診発見乳癌と外来発見乳癌との比較では, 早期乳癌症例およびnO症例は検診発見乳癌が外来発見乳癌より有意に多いものの, 10年生存率では有意差は認めなかった。