2010 年 37 巻 3 号 p. 186-189
微傾斜SiC基板(オフ基板)の水素エッチング処理後に現れる周期的ナノファセット表面構造に着目し,その表面熱分解において形成されるエピタキシャルグラフェンの形成機構について検討を行った.グラフェン化温度・時間を変化させたときのグラフェン層数の空間分布および平均層数から,成長がいわゆる層状モード(layer-by-layer)であることやグラフェン層中のSiの拡散・脱離過程によって律速されている可能性を見いだした.また,オフ方向に垂直な方向に強い異方性をもった成長モードであることがわかった.