2011 年 37 巻 4 号 p. 273-280
磁性半導体EuX(ユーロピウムカルコゲナイド:EuO,EuSなど)ナノ結晶は伝導帯と荷電子帯の間に縮退した4f軌道を有する.この4f軌道から伝導帯への許容遷移は特徴的な光磁気特性を誘起することから,新しい光磁気材料として興味深い.ここでは,この特徴的な磁性半導体EuXナノ結晶の合成および光磁気特性について紹介する.さらに,レーザートラッピング法および自己組織化法を用いたEuXの会合体形成および配列について解説する.EuXナノ結晶は新規な光アイソレーターや光磁気デバイスへの応用が期待される.