抄録
X線トポグラフィによる転位評価は,ダイヤモンド単結晶基板にとっては十分広い観察視野(〜100mm幅)と転位種の同定が可能という特長をもつ.ダイヤモンド基板やエピタキシャル層中の転位分布像の撮影や各転位の種類を特定できるので,ダイヤモンドパワーデバイスと結晶品質の相関を議論するのに必要不可欠な実験手法である.本稿では,今,改めてダイヤモンドの転位評価が必要になった理由として,ダイヤモンドパワーデバイスの背景を紹介すると共に,X線トポグラフィの測定手順及び実際のデータとして,Ib型HPHTダイヤモンド,IIa型HPHTダイヤモンド,Ib型HPHTダイヤモンド上に成長させたp型CVDダイヤモンドの3種類を紹介する.